シンスプリントとは?足のすね内側の痛み
シンスプリントは、足のすね(脛骨)の下1/3のところに起こりやすい
痛みや腫脹、圧痛です。
過労性脛骨骨膜炎とも呼ばれます。
脛骨という脛(すね)(別名弁慶の泣き所)の部分の骨膜が、
負担がかかって炎症が起こっている状態です。
部活などで運動部の方、特に陸上をしている方に起こりやすいです。
ランニングしている方の1/4~1/2ぐらいの高確率で起こります。
シンスプリントのメカニズム
脛骨に付着する筋肉が硬くなることで、筋肉が収縮するため、脛骨に付着している骨の部分を引っ張って炎症が起こります。脛骨内側粗面の骨膜に炎症が起こっている段階をシンスプリントと言います。
シンスプリントの原因
主に足のオーバーユースによるもので、ランニングやジャンプなどを繰り返すことで起きる場合が多いです。
- 足のオーバーユース
- ふくらはぎの筋肉が硬い
- 足首が硬い
- 腰や股関節、膝関節が硬い
- 足のアーチ(土踏まず)の低下・扁平足
- かたい地面での練習
- 走る時の足のフォームが外反傾向にある
- ウォーミングアップ不足
- 靴のクッション性がない
- X脚
等があげられます。
日本ではシンスプリントは、春に見られることが多いという傾向があるのですが、部活動が始まって、4月や5月ごろは走り込みの練習などをさせられることで、使っていなかった筋肉がオーバーユースになり、発症しやすいと考えられます。
また、ウォーミングアップをせずにいきなり運動場や体育館を何周も走らされたりすると、硬い地面からの衝撃が負担となり、筋肉も固まっている状態で走らされることで、シンスプリントに起因することが、複数行われてしまいますので、注意が必要です。
シンスプリントを放っておくと?
脛骨疲労骨折に発展してしまうことがあります。
シンスプリントは骨膜の炎症で、骨の周囲の骨膜の負担ですが、
さらに奥の骨まで負担をかけていくことになると、
脛骨疲労骨折につながります。
脛骨疲労骨折になってしまっても、
脛骨疲労骨折がひどくなければケアーや施術などはほとんど同じです。
レントゲン所見でも、
疲労骨折はレントゲンで分からないため、
違いははっきりしませんが、
脛骨疲労骨折だった場合は、
骨折が修復されたときにレントゲンでうっすら白く写るため、
約1か月後ぐらいにレントゲン所見で疲労骨折だったということが
判明します。
シンスプリントは、MRIでは、まれに骨膜の肥厚部分が薄っすら白く写ることがあります。
シンスプリントは、段階があります。
早めの段階でとどめ、進行しないようにしましょう。
第1段階:痛みはストレッチをすることで軽減する。運動時の痛みはない。
第2段階:痛みはストレッチで軽減するが、運動をしていて後半痛みが出る
第3段階:運動時はずっと痛い
第4段階:痛みで運動はできない、普段の生活でも痛い
症状が出たら、なるべく安静に過ごして経過を見ながら、痛みが出なくなってから運動を再開しましょう。
シンスプリントのケアー
痛みがあるときは安静にし、運動は控えましょう。
我慢して運動を続けるとひどくなってしまいます。
熱感がある場合はアイシングを行います。
シンスプリントは、ふくらはぎの筋肉を緩め、血流を促すことが大切です。
✓下肢のストレッチ(腰回りや太もも・ふくらはぎ)
✓足首回し
✓足の指回し
などで関節や筋肉を柔らかくしましょう。
体重を乗せると痛い場合は、
座って体重が乗らない状態にし、足首回しは手で行いましょう。
筋力強化は、ある程度痛みが治まってから行いましょう。
ゴムチューブがあれば机などに縛って、自分の足首にかけるようにし、ふくらはぎの筋力強化を行ってください。タオルギャザーもおススメです。特に扁平足になっている場合はしっかりと行いましょう。
温冷浴などで血流を促すのもよいです。
自分でふくらはぎの内側をマッサージしても良いです。
患部を押さえて痛みが出なくなってきた時点で、ランニングは避け、
軽めの運動、まずはウォーキング程度から開始してみましょう。
下腿部のストレッチをしっかりと行いましょう。
- ヒラメ筋にアプローチする場合、後ろに伸ばしている方の足の膝を曲げてアキレス腱伸ばしを行います。
- 腓腹筋にアプローチする場合、後ろに伸ばしている方の足はしっかりと伸ばしてアキレス腱伸ばしを行います。
- 後脛骨筋にアプローチする場合は、伸ばしている方の足を外に向けて、膝を曲げ、伸ばしましょう。
足裏もほぐすことで、長母指屈筋も和らぎやすくなります。
靴などがすり減っている場合は買い替えましょう。
X脚やアライメントに問題がある場合は、インソールや骨盤矯正、鍼灸などで矯正します。
下肢にぐっと重心を乗せても痛みが出なければ、様子を見ながら短めのランニングから行っていきます。徐々に少なめから慣らしていきましょう。
痛みが出そうな場合は無理にその動作を行わず、無理のない動作からから始めていきましょう
シンスプリントの施術
第2段階に入っている場合は、シンスプリントの施術を行い、
ひどくならないようにケアーしておいた方が良いです。
シンスプリントの施術は特に、後脛骨筋、下腿三頭筋(内側)、長趾屈筋、長母指屈筋を緩める必要があるため、深部への刺激ができる鍼灸の施術をします。
その後、マッサージなどでさらに循環を促します。必要があればテーピングをします。
また、ふくらはぎの筋肉を緩めると同時に、下半身の筋肉を緩め、着地時の衝撃が緩衝されやすい体になるように導きます。
急性期で熱がある場合は、アイシングをしますが、熱感が取れている場合は血流を促すことが優先になります。
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